ESDモデル
早期消化管がんの内視鏡的粘膜下層剥離術シミュレータ

本製品は、早期消化管がんに対する内視鏡治療であるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を、局所注射から粘膜切開、粘膜下層剥離、止血処置、病変摘出まで一連の流れで学習できるドライシミュレータとして、東北大学とデンカ株式会社、ユー・エー株式会社との共同研究により誕生しました。
独自開発の多層構造ESDシートと高気密ソフト管腔モデルを組み合わせることで、実際の内視鏡や治療デバイスを用いたリアルな手技トレーニングを可能にしています。出血や止血、穿孔の再現にも対応しており、初学者から熟練者まで、安全かつ実践的にESD手技を学べるよう設計されています。
開発背景
ESDは早期消化管癌のスタンダードな治療方法ですが、習得には多数の症例経験が必要で、合併症のリスクが臨床上の問題となっていました。また、内視鏡の基本的操作や視野づくりに加えて、空気量調節や多様なデバイスの使用、さらに出血や穿孔合併症の予測と対応等が求められますが、シミュレータでは再現できていませんでした。
開発コンセプト
- ESDの一連の手技(局所注射~切開・剥離)を経験できる
- 擬似血管により切開~剥離時に切離すると拍動性出血を起こし止血練習も可能
- 筋層直下に穿孔層(腹腔内脂肪層)を設定し、安全な切開ラインを学習できる
- 送気脱気による空気量調節に対応する、柔軟で気密性の高い管腔
特徴
ヒト消化管を模した 世界初の多層シート
- 粘膜層 :張力と触感、通電切開時の挙動
- 粘膜下層:吸水素材と剥離時に視認できる繊維組織
- 筋層 :誤って切開すると黄色の穿孔層が露出【穿孔】
- 擬似血管:鉗子での通電止血に対応【拍動性出血】


局所注射

切開・剥離

出血

穿孔
高気密ソフト管腔モデルと組み合わせてトレーニング
- 消化管管腔の挙動は送気・吸引に対応
- 浸水法やゲル浸水法でのトレーニングも可能
- 学習部位のバリエーションが豊富
- 術者だけでなく、学習方法が限られる介助者のトレーニングにも好適
高気密ソフト管腔モデル(上部消化管)

学習部位バリエーション

高気密性と柔軟性で空気量変化に対応

浸水法/ゲル浸水法に対応

高気密ソフト管腔モデル(下部消化管)
※下部消化管モデルはすぐに公開予定です。

学習部位バリエーション

高気密性と柔軟性で空気量変化に対応

浸水法/ゲル浸水法に対応

論文情報
著者:Takeshi Kanno, Yutaka Hatayama, Suguo Suzuki, Waku Hatta, Kaname Uno, Tomoyuki Koike, Atsushi Masamune
掲載誌:Endoscopy
DOI:10.1055/a-2761-0309
本論文では、本ESDモデルが、局注・切開・剥離・切除に加え、出血や穿孔への対応を含むESD手技の一連の流れを臨床に近い環境で再現できることが示されました。
多層構造シートにより粘膜・粘膜下層・筋層などを模した構造や剥離時の手ごたえを再現し、送気・吸引による空気量の変化に応じて変形する管腔モデルと組み合わせることで、実際の内視鏡操作に近いトレーニングが可能であることが報告されています。専門医による評価においても、再現性の高いシミュレーション教育としての有用性が示されており、今後、ESDトレーニングの安全性向上および教育の標準化に貢献することが期待されます。
関連動画
ESDトレーニング用シミュレータ指導動画
ESDトレーニング用シミュレータ組み立て動画

